線維筋痛症について(圧痛点の図解中心)
線維筋痛症とは、「慢性的に続く痛み」を起こす病気です。
線維筋痛症は、
「痛みを感じる」という刺激が、病気でない方に比べて
とても強く感じるようになっている。という説が現時点では最も有力です。
ですが、そうなってしまう明らかな原因は現時点では分かっていません。
(特に中枢神経の部分で、増強されていると考えられています)
実際に線維筋痛症の患者さんでは
サブスタンスPという物質が、健常人の3倍に認められた(脳脊髄液中で)という報告もあります。
このサブスタンスPというのは、痛みを伝える物質です。
ノルエピネフリンの分泌が低下しているとの報告もあります。
こういった、痛みを伝える物質(伝達物質)のバランスが崩れ、痛みの増幅サイクルが起こり、普段から痛みを感じてしまうという病気と考えられています。
ハリソン内科学では2-3%ほどとなっていましたので、やはりかなり多い病気と言えます。
しかし、見つけるのが難しく、発症から診断までに4年近く(4.3年)かかるという統計が出ています。
現在、線維筋痛症の診断+診察に役立つものとして、
ACRの1990年の診断基準と
ACRの2010年の診断基準の2つが役に立ちます。
1990年ACR分類基準では、下記の2点について評価します。(感度88.4% 特異度81.1%)
@ 様々な症状のほか、身体の四半部(右・左半身、上・下半身、体軸部)すべてに3カ月以上持続する慢性の広範囲疼痛がある
A 触診圧痛検査により、18カ所の圧痛点のうち11カ所以上で疼痛を認める
痛み以外にも、
これらの症状と痛みがあり、炎症がなくて押すと痛い、というのが、1つの線維筋痛症を疑うタイミングといえます。
ですが、圧痛の調べ方はなかなか難しいので、図示してみます。
ここを「対照点」と呼びます。
ここは線維筋痛症の方でも痛くない部位です。
左腕で後頭部を支えて、右手でおでこの真ん中を、垂直に押します」
ここをを押して痛みがでるようなら、「感覚過敏や強く押しすぎている」ため、評価できないまたは線維筋痛症ではない、ということになります。
項部隆起の少し下の、その部位を圧迫する
この辺りになります。
僧帽筋の上縁中央部に親指をあてて圧迫します。
この辺りになります。
肩甲骨の内縁近くの、肩甲骨棘部のすぐ上を押します。
大殿筋の横にある中殿筋の圧痛点を押します。
他の指を腸骨稜に合わせると、ちょうど親指が中殿筋の圧痛部付近になります。
頭蓋骨の乳様突起の部分から真下に落としていき、
輪状軟骨の高さの位置が、圧痛点になります。
第2肋骨の、肋軟骨接合部の部分の圧痛点です。
触ることのできる肋骨で、一番上のものが第2肋骨になります。
(下記のような解剖をしていて、胸骨と肋骨の間は接合部の軟骨でできています。上の方(1-7くらい)の肋骨の結合は一部は軟骨結合,一部は関節で構成されています。)
下記の部分に圧痛があります。
外側上顆から2cm遠位側の筋肉に圧痛点があります。
この当たりの部位を痛がります。
膝の両側の内側に、脂肪体というのがあります。
この部位を痛がります。
人によっては
『強く押すと痛いな』と感じる部位があると思いますが、その部位になります。
ただ4kgの強さで押す(爪先が軽く白くなるくらい)で押すのが重要さなので、体重計や、はかりなどを使用して、4kgの強さを覚えてみましょう。
上記のQ箇所のうち、11個以上の圧痛点で線維筋痛症と診断されます。
この圧痛点はとても重要ですので、覚えておきましょう。
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・体中のあちこちが痛い
・検査で炎症反応もなく、痛みの原因が分からない
というような方では、この病気の可能性を考える必要があります。・検査で炎症反応もなく、痛みの原因が分からない
線維筋痛症は、
「痛みを感じる」という刺激が、病気でない方に比べて
とても強く感じるようになっている。という説が現時点では最も有力です。
ですが、そうなってしまう明らかな原因は現時点では分かっていません。
(特に中枢神経の部分で、増強されていると考えられています)
実際に線維筋痛症の患者さんでは
サブスタンスPという物質が、健常人の3倍に認められた(脳脊髄液中で)という報告もあります。
このサブスタンスPというのは、痛みを伝える物質です。
ノルエピネフリンの分泌が低下しているとの報告もあります。
こういった、痛みを伝える物質(伝達物質)のバランスが崩れ、痛みの増幅サイクルが起こり、普段から痛みを感じてしまうという病気と考えられています。
なかなか見つからない、けど有病率が多い線維筋痛症
日本人では、現在人口比1.7%ほどと言われています。60人に1人なので、かなり多い疾患です。ハリソン内科学では2-3%ほどとなっていましたので、やはりかなり多い病気と言えます。
しかし、見つけるのが難しく、発症から診断までに4年近く(4.3年)かかるという統計が出ています。
現在、線維筋痛症の診断+診察に役立つものとして、
ACRの1990年の診断基準と
ACRの2010年の診断基準の2つが役に立ちます。
1990年の米国リウマチ学会(ACR)の線維筋痛症の診断基準
1990年ACR分類基準では、下記の2点について評価します。(感度88.4% 特異度81.1%)
@ 様々な症状のほか、身体の四半部(右・左半身、上・下半身、体軸部)すべてに3カ月以上持続する慢性の広範囲疼痛がある
A 触診圧痛検査により、18カ所の圧痛点のうち11カ所以上で疼痛を認める
痛み以外にも、
疲労感
睡眠障害
しびれやピリピリ感
頭痛
朝のこわばり
下痢や便秘
抑うつ
などの症状をおこしてきます。睡眠障害
しびれやピリピリ感
頭痛
朝のこわばり
下痢や便秘
抑うつ
これらの症状と痛みがあり、炎症がなくて押すと痛い、というのが、1つの線維筋痛症を疑うタイミングといえます。
ですが、圧痛の調べ方はなかなか難しいので、図示してみます。
線維筋痛症の圧痛点の押し方
線維筋痛症圧痛点の押す強さ
@体重計を用意しましょう。
A4kgになる強さにして押して下さい
B爪の先っぽが白くなります
これくらいが押す強さです。
@体重計を用意しましょう。
A4kgになる強さにして押して下さい
B爪の先っぽが白くなります
これくらいが押す強さです。
線維筋痛症の圧痛点の場所0地点
まずはおでこの部分
ここを「対照点」と呼びます。
ここは線維筋痛症の方でも痛くない部位です。
左腕で後頭部を支えて、右手でおでこの真ん中を、垂直に押します」
ここをを押して痛みがでるようなら、「感覚過敏や強く押しすぎている」ため、評価できないまたは線維筋痛症ではない、ということになります。
後頭下筋の腱付着部の圧痛点部@A
親指を患者さんの首の真ん中から項部隆起に移動し、さらに親指の幅1つ分を水平に移動して、後頭下筋の腱付着部にあてる項部隆起の少し下の、その部位を圧迫する
この辺りになります。
僧帽筋の上縁中央部の圧痛点部BC
僧帽筋の上縁中央部に親指をあてて圧迫します。
この辺りになります。
棘上筋の圧痛点部DE
肩甲骨の内縁近くの、肩甲骨棘部のすぐ上を押します。
両側臀部の圧痛点部FG
両側臀部の圧痛点です。大殿筋の横にある中殿筋の圧痛点を押します。
他の指を腸骨稜に合わせると、ちょうど親指が中殿筋の圧痛部付近になります。
下部頚椎の圧痛点部HI
頭蓋骨の乳様突起の部分から真下に落としていき、
輪状軟骨の高さの位置が、圧痛点になります。
胸部の圧痛点部JK
第2肋骨の、肋軟骨接合部の部分の圧痛点です。
触ることのできる肋骨で、一番上のものが第2肋骨になります。
(下記のような解剖をしていて、胸骨と肋骨の間は接合部の軟骨でできています。上の方(1-7くらい)の肋骨の結合は一部は軟骨結合,一部は関節で構成されています。)
下記の部分に圧痛があります。
前腕の圧痛点部LM
外側上顆から2cm遠位側の筋肉に圧痛点があります。
大転子の圧痛点部NO
この当たりの部位を痛がります。
膝の圧痛点部PQ
膝の両側の内側に、脂肪体というのがあります。
この部位を痛がります。
人によっては
『強く押すと痛いな』と感じる部位があると思いますが、その部位になります。
ただ4kgの強さで押す(爪先が軽く白くなるくらい)で押すのが重要さなので、体重計や、はかりなどを使用して、4kgの強さを覚えてみましょう。
上記のQ箇所のうち、11個以上の圧痛点で線維筋痛症と診断されます。
この圧痛点はとても重要ですので、覚えておきましょう。