低マグネシウム血症の診断と治療

低マグネシウム血症の診断と治療

 

マグネシウムは、体内では99%が細胞内と骨に入っており、約1%のみが細胞外に存在します。そのため血液検査では、体内の総量が不足しているのか十分量あるのかを判断しづらい電解質です。

 

 

 

 

血清マグネシウムの正常値

マグネシウムの値はmg/dLで表されることが多いですが、mEq/Lやmmol/Lで表される場合もあります。

 

換算方法としては
mg/dl→mEq/Lの場合はmg/dL÷1.2=mEq/L
つまり1.8mg/dLは1.5mEq/Lとなります。

 

また、
mg/dL→mmol/Lの場合はmg/dL÷2.4=mmol/L
1.8mg/dLは0.75mEq/Lとなります

 

正常値をそれぞれで表すと
Mg 1.7-2.4mg/dl
   1.4-2.0mEq/L
   0.7-1.0mmol/L

 

が血清マグネシウムの正常値となります。

 

ただし、マグネシウムは細胞外にある量は非常に少なく、正確ではありません。
つまり
血清マグネシウム正常範囲≠マグネシウム欠乏
です。

 

血清マグネシウム値が正常でも、マグネシウム欠乏状態というシチュエーションは容易にありうる状況ですので、注意してください。

 

 

では、体の中のマグネシウムの総量を調べるのに良い検査はと言いますと、2種類あります。
@畜尿(24時間)のマグネシウム量
AFEMg
この2つです。

 

FEMgの求め方と正常値

 

       尿Mg × 血清Cre
FEMg = --------------------------
      0.7× 血清Mg×尿Cre

 

血清マグネシウムは蛋白と結合したものや、リン酸などと結合したものもあるので、糸球体で濾過される量は7割くらいになるため、血清マグネシウムに0.7をかけて計算します。

 

 

畜尿のマグネシウム>25mg/日
または
FEMg>2-2.5%の場合

 

腎性のマグネシウム排泄が亢進した状態で、利尿剤やシスプラチン、アミノグリコシドやBartter症候群などの腎性排泄亢進の原因を考えます。

 

 

 

畜尿のマグネシウムが< 20mg/日
または
FEMg<2-2.5%の場合

 

この場合は、腎臓からの排泄ではなく、消化管からの吸収量低下(下痢、アルコール中毒でのintake低下、PPI内服による吸収量低下)や、マグネシウムの細胞内シフト(refeeding syndrome等)を原因として考えます。

 

 

 

 

低マグネシウム血症の症状と注意点

 

低マグネシウム血症では、下記のような症状が出ます。

 

テタニー
Chvostek徴候
Trousseau徴候
全身脱力
心電図異常・不整脈(U波、QT延長、Torsade de Pointes、VT) 
低K血症

 

特に注意するべきことは心電図異常です。

 

低マグネシウムでは、低カリウム血症を合併していることが多く、この2つの電解質異常(低K,低Mg)両方とも、QT時間が延長し、致死性の不整脈を起こす場合があります。そのため、低カリウム血症を見たら低マグネシウム血症の可能性を考える癖をつけましょう。

 

 

 

 

低マグネシウム血症の診断と治療

 

 

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