研修医1年目(4月〜7月)
4月〜7月
・まだ職場にもなれていないので、とにかく職場に慣れる努力をする時期
・かつ国試の知識⇒⇒医療者の知識に転換していかなければいけない時期
・上級医の先生の後ろについている時期
勉強のポイント:問診、上級医へのプレゼン、緊急時の初期対応
鑑別カードを作り始める!
業務を覚えながらになるので、余裕も時間もない時期になります。
右も左もわからないので、日々の生活での疲れも残りやすいです。
その中で、効率的に勉強していきましょう
疲れすぎないように焦らず、体調を崩さないように気をつけながら。
この時期は、仕事を何か任せられることよりも、上級医の先生と一緒に診察する ことが多い時期です。そこで、まずこの時期の間に今後必要になる問診の仕方を学びます。
「なぜ問診なのか」
国試を終えてすぐなので、疾患の知識は実はかなりあります。
弱点は、
「その疾患に絞り込んでいく過程」と、「その疾患への具体的な対応」
極論を言うと、この2つに集約されます。
しかし、そのまま過ごしていると、その2つを上達させることは困難です。
例えば上級医の先生と組んで受け持った患者さんを診ると
⇒疾患までの診断の道、プロセスはすでに終わり、臨床思考過程が見えないことも多く
⇒次に同じ疾患の人が来ても、何を聞いて、何を検査して、対応するか
わからないまま進んでしまいます。
なぜなら入院した患者さんは、すでに概ね必要な問診や検査を終えているから
ではどうすればいいか。 どう勉強すればいいか
・・・やってみましょう。
「例えば」
病棟であなたが、意識レベル低下している患者に出会いました。
上級医を呼んで応援を求めます。来るのに時間がかかるので、初期対応します。
「患者の家族に、何を聞きますか?」
「意識レベル低下の患者に、どう対応しますか?」
紙に書いてみてください。
何を聞けましたか?
十分に聞けましたか?
では次に、このPDF:
意識障害.pdf へのリンク
を開けてください。
もう一度聞きます。
「患者の家族に、何を聞きますか?」
きっといくつも聞いてみたい項目が沸いてきますね?
そして初期対応をします。
もう、赤本(研修医当直御法度)は持っていますか?
意識障害の項をあけてください。ない人はもうちょっと下のパワーポイントをあけてください。
当直御法度は、こうやって使います。
「自分の見た主訴・自分の患者さん」に当てはめながら想像し、
次に見たらどう問診するか、どう動くか。のイメージトレーニングをする
そして、自分なりにそれをパワポやPDFにまとめるか、メモをして、すぐに見れるように
診療の時は、カンペとしてそれをいつでも短時間で見れるようにしておく
さっと見ながら、穴がないように確認し動いてみて、
自分なりの
『穴のない意識障害へのアプローチ・アルゴリズム』を定着させる。
必要に応じて、パワポなどに書き足しておく。
意識障害の人の動き方のパワーポイント
意識障害のパワーポイント簡易版
ちなみに赤本は研修医なら持っていたほうがよいです。
まだもってない人は買っておくことをオススメします。
研修医当直御法度―ピットフォールとエッセンシャルズ 赤本
あと、超基礎的な問診に関しては、はじめの一週間を見て、OPQRSTは沢山プリントしてポケットに入れておきましょう。
ということで、一つは自分がみた患者さんの主訴に対して
次にあった時にどう動くか・アプローチするかのまとめを用意しておくこと
です。
そして、その中で特に問診の仕方が大事です。
意識障害のAIUEOTIPSはどうでしたか?
こういった鑑別表の考え方を、主訴カード/鑑別カードを作る、といいます。
主訴カードの考え方、作り方はどうやって学ぶか。書籍:誰も教えてくれなかった診断学に、作り方が書いてあります。
値段もそんなに高くないので、是非是非早い段階で読んでほしいです。
この本の内容は、主訴カードの作り方一つをとっても、今後の研修の礎にぜひ手元においてほしい。題名からは想像できない、初期研修医向けの本なんです。
例えばこんな内容があり、問診の今後の上達に必ず役立ちます。
診断学の勉強パワポ
↓アマゾンへのリンクです。
誰も教えてくれなかった診断学―患者の言葉から診断仮説をどう作るか
そして、4月〜7月のもう一つの勉強のポイント
上級医にプレゼンする。
カンファレンスでもプレゼンする機会があるでしょう。
上級医・2年目に相談する機会があるでしょう。
せっかく沢山教えてもらいやすい時期なので、どんどん聞くと良いです。
その際にも、コツがあります。
それがとても円滑にできるようにすると、とても多くのことを学ぶことができます。
・プレゼンテーション
・コンサルテーション
を学びましょう。
⇒プレゼンやコンサルの勉強へ
そして、もし可能であれば学生の間に、
研修医であれば4〜7月で読んでほしい本があります。
↑のページの参考にしています。
米国式症例プレゼンテーションが劇的に上手くなる方法―病歴・身体所見の取り方から診療録の記載,症例呈示までの実践テクニック
という本です。
その2つを、始めの数ヶ月はみっちり学ぶことをオススメします。