SHOCK・血圧低下のスライド

SHOCK・血圧低下へのアプローチ

SHOCK・血圧低下へのアプローチ

 

 

血圧低下がなければSHOCKがないのではなく、
頻脈や多呼吸など、臨床症状からショック状態になっていないか
組織への有効な循環が保てていない状況がないか注意しましょう。

 

 

頻脈や多呼吸など、臨床症状からショック状態になっていないか

・肉体的・精神的虚脱(prostration)
・冷汗(perspiration)
・不十分な呼吸(pulmonary insufficiency)
・脈拍減弱(pulselessness)
・皮膚・顔面蒼白(pallor)

に注意しましょう。

 

 

 

そして、モニター・酸素・ルート確保をしながら、
並行して診断・治療を行っていきます。

 

 

病態によるショックの分類
ショックの患者さんをみたら、この4つの視点で鑑別を考えます。

 

Hypovolemic (循環血液量減少性)
      出血、脱水、広範囲熱傷

 

Distributive (血液分布異常性)
      敗血症性ショック、アナフィラキシー、
      神経原性ショック 

 

Cardiogenic(心原性)
      急性心筋梗塞、重症不整脈、心筋炎

 

Obstructive(閉塞性)
      肺塞栓症、緊張性気胸、心タンポナーデ

 

それと忘れがちな項目かつ、治療可能な病態として
ビタミンB1欠乏症(Cardiogenic shockの1つとして覚えると良いです)
副腎不全(感染などによる相対的な副腎不全も含め)

 

 

病棟での血圧低下の患者さんを見た時も同様に上記のうような血圧低下の原因がないか考えるようにしましょう。

 

 

 

 

ショックへのアプローチ
まず、パッと見てやばそう(5P等)であれば、人を集めて、患者さんをベッドに寝かせます。

 

エコー・心電図・点滴ルート(造影用のルートがあればそれを)を用意してもらいつつ、その間に身体所見を取ります。
(家族の方から話を聞きに行ってもらって、基礎疾患・今回の症状・新規薬剤は特にすぐ聞いて報告してもらいましょう)
ポータブルのXpもお願いしておきましょう。

 

 

まず見るのは、
・頸静脈の怒張(緊張性気胸や心タンポナーデ等、すぐに処置が必要な疾患から)
・胸郭の動き(緊張性気胸の有無)
・呼吸音(左右差で気胸の有無・wheeze/stridorの有無)
・皮疹でアナフィラキシーの可能性を評価
・下腿の左右差を見る

 

 

そして、ルート/心電図を取ってもらいつつ、
エコーの準備ができたらエコーで右室負荷所見の有無やIVC径の評価をします。
心臓の評価も。

 

 

ここまでと身体所見・心電図・エコーで、心原性/閉塞性の可能性をある程度評価します。
それらが強く疑わしければ、それに準じた対処をしましょう。

 

 

閉塞性ショックと心原性ショックを見るのは非常に重要で、
緊張性気胸や心タンポナーデなどはベッドサイドで超緊急の処置を要することもあり
また肺水腫等は補液が逆効果になることがあるからです。

 

 

これらが否定的であれば、大量補液を考えます。
ここでのpit fallとして、アナフィラキシーの可能性について今一度考えてみましょう
皮疹が出ないアナフィラキシーもある(参考:http://kensyui.com/urticaria.html)、という点と
皮疹を伴うショックに、Toxic shock syndromeを忘れないようにしないという点です。

 

 

あとは、病歴や検査所見なども合わせ、ショックの原因を考えましょう!
(ショックの4分類をもとに、考えて行きましょう。)

 

 

 

 

 

 

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