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ADH分泌量予測式・推定量

 

血漿浸透圧からADH分泌量の予測を立てることができます。

 

ADHの分泌期待量=0.38×(血漿浸透圧-280)・・・・理論値
(上記の式からは血漿浸透圧≦270ではADHは分泌されない)

 

 

尿浸透圧と血漿浸透圧から、実際の体内で働いているADHの量を推定することができる
ADHの分泌の分泌推定量=1.7×尿浸透圧/血漿浸透圧・・・・実測の近似値

 

 

 

 

ADHの分泌期待量=0.38×(血漿浸透圧-280)・・・・理論値
(上記の式からは血漿浸透圧≦270ではADHは分泌されない)
について解説します。

 

ADH分泌量予測式・推定量

 

血漿浸透圧とADHの関係は、
血漿浸透圧が上昇するとADHが分泌し始めます。そして比例関係(右肩上がり)があります。
ADHの分泌期待量=0.38×(血漿浸透圧-280)は、血漿浸透圧が●くらいなら、ADHは本来どれくらい分泌されるか、という式になります。

 

脳がどれくらいADHを出すだろうという推測をたてることができます。

 

血漿浸透圧が上昇(ナトリウム濃度が高い状態になると)⇒ADH分泌が増えることで、水の再吸収がまし、ナトリウム濃度が改善する、となります。

 

逆に、血漿浸透圧が低下した際には、ADHの分泌を低下させ、水の再吸収をしなくなり自由水を尿に排出させることができます。

 

 

 

・ADHの分泌期待量=0.38×(血漿浸透圧-280)
・ADHの分泌の分泌推定量=1.7×尿浸透圧/血漿浸透圧

 

これの使い方の一つに東京のOS先生からいただいた問題で解説します。
(みなさんの学習用に提供してくれました)

 

 

74歳女性。呼びかけに反応しないため意識障害で入院。
BP 130/70mmHg, HR 70/min, 身体所見n.p
尿:比重 1.025, 尿浸透圧 530mOsm/kg H2O, PH 6.0,
尿Na 143mEq/l 尿K 20mEq
Na 113mEq/l, K 3.0mEq/l, Cl 76mEq/l, BUN 5.6mg/dl
Cre 0.4mg/dl, BS 108mg/dl, 血漿浸透圧 240mOsm/kg H2O
PH 7.55, PaO2 66.3Torr, PaCO2 46.3Torr, HCO3 30mEq/l
甲状腺機能、コルチゾール 基準値内

1. 推定血漿浸透圧はいくらか?
2. この血漿浸透圧でのADH推定分泌量(理想値)はいくらか?
3. 血漿浸透圧と尿浸透圧からADHの分泌量の予測値は?
4. 推定される疾患、その後の必要な検査は?

 

1. 推定血漿浸透圧はいくらか?
血漿浸透圧(推定式) = 2×Na + BS/18 + BUN/2.8
= 2×113 + 108/18 + 5.6/2.8
= 234mOsm/kg H2O
実測値(240mOsm/kg H20)とほぼ同値である。

 

2. この血漿浸透圧でのADH推定分泌量はいくらか?
血漿浸透圧は、270を下回っているので、理論的にはADHの分泌
ゼロであるはずである

 

3. 血漿浸透圧と尿浸透圧からADHの分泌量の予測値は?
ADHの分泌の予測値=1.7×尿浸透圧/血漿浸透圧
=1.7×530/240=3.75pg/ml
実際に作動しているADH量の概算は、3.75pg/mlである。

 

4. 推定される疾患、その後の必要な検査は?
血漿浸透圧が270を下回っているのにも関わらず、ADHが分泌
されている。甲状腺機能、副腎皮質機能が正常であることか
ら、SIADHが最も疑わしいとなる。

 

 

というように、この
@の式の
ADHの分泌推定量=0.38×(血漿浸透圧-280)・・・・理論値
これは、このNa濃度、血清浸透圧であればADHはこの量のはず!という推定になります。
0のはずなのに、ADHが分泌していたら、それはADHの作用が亢進している可能性が考えられます。

 

その数値とくらべ、ADHの実測値または2の式とが大きい時には
ADHが過剰に出ている状態が疑われます。

 

 

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