低カリウム血症の治療方法

低カリウム血症の治療方法

 

 

低カリウム血症の治療方法についてのまとめです。

 

 

まずは、原則からです。

低Kの治療は、経口療法の方が安全です。
静脈内投与より、安全に多量のカリウム補充を行えるます。

 

頻回の測定が望まれますが、時間等に関して特に決まったものはありません。

 

 

内服薬での補正方法

 

スローケー錠R600mg(1錠8meq) や、塩化カリウムの内服薬を使用します。
1回で1mEq/kgのK投与は安全とされていますが、いくつかの教科書や正書の中では、
1度には40mEqまでとする。と記載されているものが多く、これくらいが安全と考えられます。

 

1回あたり40mEqで、それを何度か行いますが、大量の経口投与は胃腸障害をきたすことがあるので、水を多めにとるようにしましょう。

 

 

スローケー錠R600mg(1錠8meq) と、塩化カリウムの内服薬の使い分け

スローケーRは徐放剤ですので、徐々にカリウム濃度を上げようとする場合には適しています。
しかし上がりの速度がゆっくりなため、低Kでなるべく早めに初めの補正を行いたいときは、塩化カリウムRやKCLエリキシルRなどの薬のほうが適しています。

 

 

KCLと、アスパラカリウムR(L-アスパラギン酸カリウム)の違い

低カリウム血症は、多くが代謝性アルカローシスを伴っています。
代謝性アルカローシスは、Cl-(クロール)を入れることで改善するという点と、アルカローシスにL-アスパラギン酸カリウムのようなアルカリを入れると悪化するという点から、初期治療としてはほとんどKCLしか使用しません。

 

また、代謝性アシドーシスの時にも、「低カリウム血症では、先にアシドーシスの補正をしてはならない」という鉄則があるため、アルカリであるL-アスパラギン酸カリウムは使用しません。

 

どちらにしても、KCLで治療を行います。

 

 

 

 

末梢点滴でのカリウム補正方法

末梢静脈からの最大投与速度は20mEq/hrです。(ワシントンマニュアル参照)
末梢からの最大濃度は40mEq/L以下で、これ以上は静脈炎を起こすリスクが増すとされています。

 

また、点滴では、ブドウ糖を含まない点滴製剤を選択する必要があります。
そして、Kが補整されるまでアシドーシスは補正しないという鉄則があるので、HCO3を含む輸液は使用しません。

 

 

 

実際の輸液組成

では、上記を踏まえて2つの輸液を紹介します。

@は、スタンダードな輸液
Aは、浸透圧に配慮した輸液

です。

 

ブドウ糖を入れない
HCO3を入れない
という条件で作ります。

 

@スタンダードな輸液
生理食塩水500mlにKCL20mEq/20mlで、40mEq/1040mlの濃さのものができます。
これで、ほぼMax濃度のカリウムの末梢輸液ができます。
これを、20mEq/hrで投与すると、(生理食塩水500ml+KCL20mEq/20ml)1本を1時間で投与することが可能です。

 

簡単に作れ、覚えやすい輸液です。

 

 

 

ただし、これは一つ欠点があって、
溶質の濃度が190mEq/Lほどの濃い輸液となってしまいます。
低カリウム血症は腎性尿崩症の原因となるので、血清Na濃度が上昇しやすくなり、自分で飲水ができない状況だと高ナトリウム血症となってしまうことがあります。

 

それらのリスクが少なければ、生理食塩水500ml+KCL20mEq/20mlという組成を作るのがよいでしょう。

 

 

A浸透圧に配慮した輸液
では、Na濃度が上昇してしまいそうで心配な時、
少しでも良い輸液にする場合には、どうするとよいでしょうか。
答えとしては、蒸留水を使います。

 

蒸留水は単独では点滴してはいけません。(参照;http://kensyui.com/distilledwater.html

 

そこで、蒸留水を使いながら、浸透圧が1となるように組成を組みます。

 

蒸留水を使い、浸透圧が1近くなるカリウム輸液の作成方法

・10%塩化ナトリウムを38ml
・KCLを20mEq
・蒸留水を442mlになるように(蒸留水500から58mlを抜く)

とすると、154mEq/LのNa/KCL点滴が完成します。

 

 

もしくは、
・10%塩化ナトリウムを20ml
・KCLを20mEq
・塩化ナトリウム補正液1mEq/Lのものを20ml
・蒸留水を440mlになるように(蒸留水500から60mlを抜く)
144mEq/Lくらいになります。

 

 

中心静脈投与でのカリウム補正方法

大腿静脈から20mEqのKCLを100mlの 生理食塩水に混合し、1時間以上かけて投与します。

 

内服のほうが安全に上昇させることができるので、非常に危険な低カリウム血症や、低カリウムによる麻痺性イレウスなどで腸管が使用しにくい場合などに使用します。
A-lineからの頻回採血で、スケールを立ててあげることができるので、その点は便利です。

 

 

 

ということで、

 

内服薬でのカリウム補正方法
末梢点滴でのカリウム補正方法
中心静脈投与でのカリウム補正方法

 

 

について、まとめてみました。