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低カリウム血症の患者さんを受け持つ時の注意点

低カリウム血症の患者さんを受け持ったら

 

どんな原因の低カリウム血症の患者さんの場合でも、低カリウム血症の患者さんを受け持つときにはこの2点に注意しましょう。

 

@心室細動などの致死的不整脈を起こすことがある。
Aブドウ糖を含んだ輸液をしないこと。

 

 

@心室細動などの致死的不整脈を起こすことがある。

低カリウム血症は、心室細動などの致死的不整脈の原因になります。

 

ICUなど、すぐに蘇生を行える場所に入院いただくことが重要です。
しかし、入院の際に患者さんの意識がしっかりしていたり全身状態が悪くない場合、周囲のスタッフの方と温度差がでることがあります。(この患者さん本当にICU入室が必要なの?というような)。それに負けないように、ICUにお願いしましょう。

 

また、看護師さんや周りのスタッフへの啓蒙活動が非常に重要で、知っていてくれるスタッフが増えることで致死的不整脈が起きたときに対応ができやすくなる環境を作ることができます。

 

実際にカリウムが2台前半でVfになった患者さんを担当したときには、ICUに入院として本当によかったと思いました。

 

 

Aブドウ糖を含んだ輸液をしないこと。

ブドウ糖を含んだ輸液を行うと、グルコース・インスリン療法と同じように、血液の中のカリウムが細胞内に取り込まれるようになり、血清カリウム濃度はさらに低下します。

 

ブドウ糖を含まない補液製剤を選択する必要があるのですが、3号液(ソリタT3やソルデム3Aなど)のような、糖分を含んだ輸液組成で治療されている例を時々見かけます。

 

こういった組成は非常に危ないので、やめましょう。

 

 

 

自分の受け持ち患者さんが低カリウム血症となっていたら
「この患者さんはVfになるかもしれない」という危機感をもって対応するようにしましょう。

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低カリウム血症の患者さんを受け持つ時の注意点