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研修医の勉強方法や使える医学知識の習得

点滴をする上で気をつけないと行けない患者さん達を知ろう

 

点滴は、体の外から水やナトリウムといった成分を入れていく治療です。

 

普段の生活の中で食事をする場合は、
・これくらいでもうお水は飲まないようにしよう
・もっと水が飲みたいな
というように、水を飲んだり、塩分を摂取したりという行動をとることができます。

 

 

しかし、点滴の場合には、半強制的に体の中に入ってくるため、
・点滴が多すぎる場合
・点滴が少なすぎる場合
といった、「適切ではない輸液」という輸液メニューとなってしまうことがあります。

 

 

若くて健康な方であれば、そういう点滴メニューでもよっぽど大丈夫なことが多いですが
そういった時に、点滴メニューで体調を崩してしやすい患者さん達も居ます。

 

 

このページでは
「どういった患者さん達では注意が必要か」
「点滴メニューで、どういった不具合が生じるか」
ということを知っていただきます。

 

 

そういった方では、特に注意してくださいね。

 

 

コラム〜Do No Harmについて〜
Do No Harmとは、害のないようにしよう、ということです。
我々のメニューが原因で、患者さんたちに害が出る、というのは
とても良くないことですよね。

 

我々は、「少なくとも患者さんにとって害ではない」という
当たり前の約束を守って診療していきたいですものです。

 

 

 

STEP@ 気をつけないと行けない患者さんを知ろう

 

いい点滴をするために、まず知っておくべきことは、
まず、入れすぎた場合にどうなるか
また、足りない場合はどうなるか
を知ることです。

 

特に、輸液・栄養でまず考える、大事な3要素は

・塩分
・水分
・カリウム

ですので、まずこれを知りましょう。

 

 

 

塩分が多すぎると
塩分を入れすぎると、体液量が増加します。
足が浮腫んだり、体液量増加により心不全で呼吸苦が出たりしてしまいます。
そういった問題が起こりやすい患者さんは、心臓や腎臓の悪い人・高齢者です。
こういった方は、摂った塩分を処理する力が落ちるので要注意です。

 

1日に入る塩分の量は、例えば減塩の食事で4-6gくらいですが
この塩分制限をしていても、利尿剤などで尿を出さないといけない方もいます。
塩化ナトリウムで換算すると、50-100mEq/日が塩分3-6gくらいに相当します。

 

そういった方に、生理食塩水を1L投与するだけでも、
塩分9gも投与してしまうことになってしまうので、心不全となってしまう場合もあります。

 

 

 

塩分が少なすぎると
塩分が足りなくなりすぎると、体の中の血液量が少なくなり、
循環血漿量低下により血圧が低くなったり、立ちくらみが出てきたり、
体中の臓器に血液が十分に流れず、臓器障害を起こしてしまいます。

 

特に初めに影響を受けるのは腎臓で、BUN/Cre比が上昇してきたりします。
塩分制限をしながら利尿剤を併用していたら、いつの間にか塩分が足りなかった
ということもあるので、注意しましょう。

 

 

 

水分が少なすぎると
水分が少なすぎ、自己調節の限界を超えると
血清のナトリウム濃度が上昇し高ナトリウム血症となります。

 

ただし、多くの患者さんでは血清ナトリウムが上がりそうになると
口渇感がとても強くなるため飲水行動を取るようになり、自然に解消されることが多いです。
しかし高齢者や小児や精神疾患患者さんなど、自分で水を飲むことができない人は
ナトリウム濃度が上昇することがあります

 

 

 

水分が多すぎると
水は、摂取すると腎臓が調節し排泄してくれますが
年齢や腎機能により、水を排出する力が落ちてくる方に
水を多く投与し過ぎると、水が増えすぎてしまい血清ナトリウム濃度が下がってきます。

 

透析患者さんや、高齢者の方、肺炎などの方などでは特に注意が必要です。
http://kensyui.com/hyponatremia.htmlなども参考にしてください。
ナトリウムの濃度が下がってきたら、注意が必要です。

 

 

 

カリウムが多すぎると
高カリウム血症になり、不整脈を起こすことがあります。
腎臓の悪い方・高齢者・ACE阻害剤やARB・βブロッカー内服中の方などは要注意です。

 

例えば、1日のカリウムが3号液2Lで40mEqだとしても、カリウム濃度が上昇していくことがあります。

 

 

 

 

ということで、
全体には
・高齢の方
・腎臓の悪い方
・心臓の悪い方
などでは特に、ナトリウム・水分・カリウムの調整力が低いことが多いため
気をつけていきましょう。

 

 

 

 

ということで、入れすぎても、足りなさすぎてもいけない
ということを意識しましょう。

 

点滴をする上で注意すべき患者さん群を知った後は

輸液で一番大事な3要素を知ろう
輸液を考える中で、一番大事な要素は「ナトリウム・水・カリウム」です。
その3要素を、まずはしっかり身に付けましょう。

 

一日に必要な電解質(ナトリウム・カリウム・水分)
輸液の3要素を、実際にどれくらいの安全幅で使用していくか、ということを見ていきましょう。

 

分数で考える輸液・点滴メニューの組み立て方-分子の考え方-
どのような患者さんでも、まず評価すべきは体液量です。
これを、分数という視点で勉強しましょう。

 

塩分制限と水分制限のどちらが大事か
心不全・腎不全のあるような患者さんでは、特に塩分制限が重要です。
塩分制限についてしっかり学びましょう。

 

電解質とmEq換算表
実際に投与していく上で、投与しているものがどれくらいの量になるか
換算できるようにしましょう。

 

血漿浸透圧と、生食やブドウ糖の浸透圧の計算方法
浸透圧の計算方法を身に付けましょう。

 

体液量は体重の何%か
ナトリウム濃度を考える時などに、体液量を、体重の何%かというルールを持って計算することはとても重要です。

 

 



 

点滴をする上で気をつけないと行けない患者さん達を知ろう