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Edelmanの公式と、ナトリウムの公式の数学的な証明(解説)

Edelmanの公式と、ナトリウムの公式の数学的な証明(解説)

 

Edelmanの式というのがあります。

 

                総陽イオン濃度
血清ナトリウム濃度=--------------------------------------
                体液量(TBW)

 

この総陽イオンが、ナトリウム・カリウムのin-outで決まる、という公式です。

 

 

 

 

Edelmanの公式と、ナトリウムの公式の数学的な証明(解説)

 

それを、もう少し分かりやすく、使いやすいように
inと尿のoutで表すと、上記のような式になります。

 

 

では、この公式の、特にカリウムが意味不明だと思いますので解説します。

 

 

そのために、まず前提として知っておいていただかないといけない知識が
細胞膜の性質(半透膜で、水を自由に通す性質)
細胞内液と細胞外液の組成(細胞外はNaが多く、細胞内はKが多い)
血漿浸透圧は、粒の数の割合で決まる

 

の3つです。

 

 

(上の3つを、なんとなくでも見たことあるよ、という状態で、以下を読んでいただければと思います。)

 

 

 

Edelmanの公式と、ナトリウムの公式の数学的な証明(解説)

 

この式を、少しずつ説明します。

 

 

 

 

@まず、血漿浸透圧の計算式です。

 

血漿浸透圧=2Na + 血糖÷18 + BUN/2.8

 

で計算されます。(これは国家試験とかでも出ますよね)

 

解説を加えると、
2×Naというのは、Naの粒の数と同じ数だけ陰イオンがあるからです。
粒の数だけ浸透圧は増えるので、倍になります。

 

 

このうち、血糖はふつう90くらいなので、90/18をすると、約5くらいで、
非常に微々たるものになります。なので消します。

 

BUNは、細胞内外を行き来できるため、実は細胞内外の水を引っ張る力(正式には張度と読んだり、有効浸透圧と呼びます)には、計算されません。

 

 

血漿浸透圧=2Na + 血糖÷18 + BUN/2.8
の式は、
血漿浸透圧≒2Na
と近似することが出来ます。

 

 

 

 

A体全体の浸透圧は、血清浸透圧と釣り合う

 

体の細胞膜は半透膜なので、水の行き来をして細胞内外の浸透圧が釣り合って、定常状態となっています。
http://kensyui.com/entry20.htmlを参考にしていただくと
よりわかると思います。

 

このように、水を左右で引っ張りあって、細胞内にも細胞外にも水がある状態であるので、
左右が釣り合っている状態、というように考えられるのです。

 

細胞内の浸透圧=血漿浸透圧=体全体の浸透圧

 

と考えることができます。

 

 

 

B体全体の浸透圧を考えよう

 

浸透圧は、粒の数の割合です。
Edelmanの公式と、ナトリウムの公式の数学的な証明(解説)

 

体全体の浸透圧=体全体のイオンの総数÷体液量

 

浸透圧物質は、ほぼイオンなので、上記のように考えることができます。

 

陽イオンに関しては
細胞内はカリウムが殆どで、細胞外はナトリウムが殆どです。
Edelmanの公式と、ナトリウムの公式の数学的な証明(解説)

 

 

なので、陽イオンと同じだけの陰イオンがあると計算すると
総イオン(体全体のイオン)は、細胞外液のNa(mEq)×2+細胞内液のK(mEq)×2と考えることができます。

 

 

すると、体全体の浸透圧は、このような式で表すことができます。

 

        細胞外液のナトリウム(mEq)×2 + 細胞内のカリウム総量(mEq)×2
体全体の浸透圧=----------------------------------------------
                  体液量(TBW)

 

体の中の陽イオンは、ほとんどがNa、Kなので、このように考えます。

 

 

 

さて、ここで、体全体の浸透圧は、血清の浸透圧と等しいということを思い出しましょう。
体全体の浸透圧=血清の浸透圧≒2Na(mEq/L)と近似できる、ということも思い出しましょう。

 

 

すると

 

 

血清浸透圧=2Na(mEq/L)=体全体の浸透圧

 

        細胞外液のナトリウム(mEq)×2 + 細胞内のカリウム総量(mEq)×2
血清浸透圧=-------------------------------------
                  体液量(TBW)

 

の式に変換できます。

 

すると、

 

        細胞外液のナトリウム(mEq)×2 + 細胞内のカリウム総量(mEq)×2
2Na(mEq/L)=---------------------------------------------------
                 体液量(TBW)(L)

 

 

となり、両辺を2で割ると

 

    細胞外液のナトリウム + 細胞内のカリウム総量
Na=-------------------------------------------------------
          体液量(TBW)

 

 

ナトリウムとカリウムを合わせて、総陽イオンと考えるので

 

 

          総陽イオン
Na=-------------------------------------------------------
         体液量(TBW)

 

 

というEdelmanの式と同じになります。

 

 

なので、ナトリウムでもカリウムであっても、体の中の陽イオンが増加すれば、血清のNa濃度は上昇し
ナトリウムであってもカリウムであっても、体の中の陰イオンが減少すれば、血清のNa濃度は下がります。

 

 

入れる陽イオン・出る陽イオンは殆どがナトリウム・カリウムなので
そのように近似し、計算が出来ます。

 

 

ちょっと複雑にみえるかもしれませんが、実は少しずつ学んできた知識を合わせると
このように近似することができるようになります。

 

 

 

 

 

 

ナトリウムの公式
上記の式をもう少し臨床的に使い易くした、
実際の低ナトリウム血症の患者さんを考える上で役立つナトリウムの公式です。

 

 

便利で安全な低ナトリウム血症の治療方法
すごく便利なナトリウム補正の方法です。

 

 



Edelmanの公式と、ナトリウムの公式の数学的な証明(解説)