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感染症の勉強

感染症のオススメ勉強方法

感染症の勉強はとても大事です。
なぜなら、感染症の患者さんを受け持たない日は殆どないから。

 

 

適当に過ごす毎日だと、2年後の自分も適当な自分です。
感染症を系統だって勉強する機会はとても少ないかもしれません。
というのも、多くの色々な科の上の先生も、ある意味適当にやってしまっているからです。

 

それを真似て、見よう見まねでやると、適当な(いい加減な)抗菌剤使用となってしまいます。
しっかり教えてくれる人がもし居れば、しっかり聞きましょう。

 

 

感染症の勉強のプロセス

・感染症診療の概略をつかみ
・Commonな病気をしっかり診断して
・それの治療Planをきちんと立てられる
・効果判定を学んで、マネージメントできる
・そのための勉強方法を知り、次に活かせる
・自分の遭遇した疾患について、上記の方法を活かし診療する

 

 

 

 

感染症の基本は、この4つの軸

感染症と思われる患者さんを受け持ったら、必ずこの4つを考え、まとめましょう。
@ どこの臓器の感染か
A なんという菌の感染症か
B どの感染症治療薬を使うか
C 治療効果の判定(ならびに病勢の判断)

 

いつもこのことを考えて研修をする2年間と
熱があるから、CRPが高いから抗生剤を使う2年間とでは
大きな差が出てきます。

 

 

 

 

感染症をどのように勉強すると良いのか

 

まず、感染症の勉強をはじめるに当たり、概略となる核の部分として
青木 眞 先生 の講演をオススメします。・

 

講演で聞くこともできますし、DVDも販売されています。
是非、研修の早い時期で、2時間ですので誰かに借りてでもDVDをみてください。
(ライブのエネルギーはとても刺激になるので、可能であれば、講演の機会があれば足を運んでください!全国を飛んでいると仰っていました。)

 

感染症を体系的に考えるきっかけになる上に、
研修に大事な心構え、より良い医師になるための心得も伝えてくれて、いつ聞いても ぎゅっと身が引き締まる思いがします。

 

 

 

 

感染症の講義やDVDから始めるのが一番効率的

 

感染症について、系統だって勉強できる時間は案外少ないものです。
だから、概要を短時間で意識付けして、感染症の患者さんに触れるごとに上達すれば良いと考えています。

 

 

逆に、まず本を読みはじめて途中がけで時間が無くなって勉強しなくなって・・・
適当に抗菌薬をはじめちゃって・・ 勉強しなくなって・・だってある程度治るんだもん・・という
そのスパイラルが多いのに気がつきます。輸液もそうですが。

 

 

けど、それは良い診療なのでしょうか?
私はそうではないと思って勉強したいなと思いました。

 

 

だからこそ、躓いたり、よくわからないなと思っているとしたら、
是非講演を聞いていただきたいなと思います。

 

このDVDでは、実際に使える知識として役立つ部分もあるのですが、
それよりも大事なことは、自分の勉強していくポイントを学ぶことができることです。
必携の書、レジデントのための感染症診療マニュアルの40ページまでに刻まれた
感染症を見る気持ち(心持ち)の粋を集めた考え方が、深く深く伝わってきます。

 

 

そしてその後、常に問いかけ続けましょう。
『どこの臓器の、何という名前のばい菌か』
成長の密度、変わります!

 

 

 

〜@感染症なのか〜

感染の臓器を探そう!

 

そもそも、感染症なのか。
そして、治療が必要な、可能な感染なのか否か

 

ここをいつもしっかり検討しましょう。

 

感染症の診療を、悩ませる要因の一つは、
・感染症が、進行性の病気であること
・感染症であれば、治療をすると治ることが多いこと

からくる、
『 もし感染症だったら心配なので、抗菌薬を使用したくなる』 気持ちでしょうか

 

治療が遅れたくない
治療を間違えたくない

 

そんな気持ちはとても尊いものだと思います。

 

ここでもう一つ考えて見ましょう
・だから感染症でなくても抗菌薬を使う。
・だから感冒であっても、抗菌薬を使う
・だからどんな感染症でも広域抗菌薬を使う。

 

これは果たして患者さんのためになるでしょうか

 

 

感染症の診療は、果たして待てないものなのでしょうか
治療効果の判定方法を知らずに、抗菌薬を続けるべきなのでしょうか?

 

 

極端な言い方をすると
適切に待つ特権は、今の立場の貴方だけの特権です。
是非研修医の間に、経験してみてください。

 

 

もしくはコメディカルの方でしたら、どういう経過でどういうのが危ないか
注意深く観察することで、少しずつ経験を詰めるはずです。

 

そうすることで、適切な時期に、適切な期間、適切な治療をする
一歩目を踏み出せると思います。

 

 

 

A感染臓器を探す

あまり、感染臓器の特定に関して、『この本や資料で勉強すると良いです』と強く薦められるものがないです。すみません

 

私の場合は、感染症の感染臓器について、こんな考え方をしています。

 

これは、他の問診で言っているのと同じですが・・・
・緊急性の軸
・頻度の軸    を意識しています。
危なそうな感染症は、優先順位をあげて考える、ということです。

 

では、感染臓器について。
@見つけやすい臓器を見つける       
A見逃されやすい臓器を探す        
B見つからない臓器を探してみる      

 

 

@見つけやすい臓器を見つける

呼吸苦や喀痰・咳もなく、CTでもまったく何も見つからない
という状態は、肺炎らしいでしょうか?  あまりらしくないですね。

 

感染症診療では『Top to Bottom』アプローチということが言われています
 ※その臓器に感染したら、どのような症状を訴えるのか
 ※どのような身体所見を呈して
 ※どのような検査異常が推定されるか

 

たとえば
こういった部位に着目して見始めます。
top to bottom.pdf へのリンク

 

例えば、肺炎などは頻度も多いし、所見でもわかりやすく、『見つけやすい感染症』とかんがえることができます。

 

 

A見逃されやすい臓器を探す

上記を少しずつ学んでいくと、見逃しやすい部分も見えてきますが

 

たとえば 
前立腺炎
膀胱に炎症が波及しないと、頻尿等の尿路症状もあまり出ないことがあります。
そして、文献にもよりますが、4週間の抗生剤治療を必要とします。
また、前立腺は臓器移行性の悪い(抗生剤の届きにくい)感染症です。

 

大事なことは、
『この疾患は見落としやすい疾患で、疑って調べてみることが必要だ』という感染症です。

 

前立腺は、見逃されやすい感染臓器と知ること。
だから、フォーカスを絞るために、ジギッてください(直腸診)
圧痛をみて、説明してPSAも役立つことがあります。

 

そういった、どんな感染が見逃されやすいか。知っておきましょう!

 

 

また、たとえば
・高齢者や乳児
所見や訴えがはっきりしない患者群では、本来得られるであろう所見が見られないことが多く見られます。
以前、明らかに胆のう炎の高齢患者さんで、エコー上で緊満した胆嚢の直上をおしても、顔色一つ変えずにいて衝撃をうけたことがあります。
透析患者さんの発熱で、全身見て中耳が良く見えないので耳鼻科依頼したら、耳鼻科受診前に耳垂れが出てきた患者さんも、耳痛の訴えがまったくなかったことがありました・・

 

見落とされやすい患者群がいることを、よく知っておきましょう!

 

 

B見つからない臓器を探してみる

それでもそれでもどうしても感染源が見つからない
そういったときは、見つからない感染症というカテゴリーで考えます。
具体的には

 

※血管内に隠れる(感染性心内膜炎)
※細胞内に隠れる(TBやサルモネラや梅毒、リケッチアやクラミジア等)
※袋に隠れる(膿瘍形成)
※骨に隠れる(骨髄炎等)

  

 

を探す努力が必要になります!

 

 

 

2年間。
はじめから全てできるのであれば、そもそも研修をしなくても大丈夫になっちゃいます。
はじめから診断を付けられる必要はありません。
 ・探してみる努力をすること
 ・上級医の先生に診断のコツを教えてもらうこと
少しずつ、自分で診断できるようにしていきましょう!

 

研修って期間はとても良い時間で、
医師生活の中で、答えをもらいながら診療することができる時間です。
そんな時間を大切にして
そんな時間を充実させていきましょう!

 

問題の答えだけではなく、問題の解決方法も勉強していきましょう♪

 

 

 

感染症を勉強し始めるときに、必ず要る本

レジデントのための感染症診療マニュアル 第2版
ここでの話は、この本なくして始まりません!
というか感染症の勉強をする上で、この本はやっぱり必要です♪

 

A患者背景を知る〜

臓器を絞っていったら、次は患者の背景を知りましょう。
(〜何のために?)
※感染する起因菌の種類が異なるため
※予後や重症度にかかわるため

 

この2つのためです。

 

具体的に何をしるか。
具体的に何を聞くか。

 

アメリカの救急学会の専門医試験に、こんな問題が出たことがあるそうです。
40歳男性 発熱を主訴に来院
腹部を見ると、正中にope痕がある。
本人に聞くと、20年ほど前に手術したことがある、とのこと。
〜〜何を考えるか〜〜
向こうでは20代で腹部手術をした場合、交通外傷後を最も疑うらしい。
その際に脾臓が摘出された可能性を疑い、重症肺炎球菌等も懸念し、
脾臓摘出後疑いとして診療するとのこと。

 

その場合、何免疫が障害されているか
たとえば好中球が抑制されているなら、緑膿菌もカバーする必要がありますし、
細胞性免疫が抑制されているなら、液性免疫障害があるなら。
それぞれ、考える菌や重症度がまったく異なってきます!
青木先生のレジデントのための感染症診療マニュアル 第2版
にも、章としてまとまっています。
コピーしてポケットに見れるように入れておきましょう♪

 

ちなみにこの問題の場合は、脾臓摘出後は、肺炎球菌などの莢膜のある菌に対し、抵抗力がとても落ち、重症の感染を起こすことがあり危険なリスクファクターなのです。

 

患者さんの感染前の状況
たとえば、尿路感染症があるとします。
それは、一般的な感染の患者さんと、カテーテル挿入の患者さんでは
起因菌が異なってきます。
泌尿器科的な尿路処置後の感染では、腸球菌や緑膿菌の頻度も上がります。
そういった、状況を変えうる情報について、取れるように。
感染臓器が推定されたら、その部分の青木先生の感染症本を読む、というプロセスがとても役に立ちます。

 

 

B各疾患を知る

各疾患についてよく知りましょう!

 

まず、感染が疑われる臓器・熱源と思われる部位が分かりました

 

例えば咽頭部の痛み、扁桃腺の腫れや腫大で、扁桃腺を疑ったとします。
次は、ではそのような菌を考えるべきだろうか、ということを考えます。
具体的には、咽頭炎のときの溶連菌であれば、どんな意義があるだろうか
 ・リウマチ熱の予防効果やある。
 ・急性糸球体腎炎の予防にはエビデンスはない
等が知られていますね。
ここも参考にしてください。
http://www.kameda.com/medi_personnel/infectious_disease/index.html

 

こういったことを知り、治療期間を決めていきます。
使用する抗菌薬を決めていきます。
患者さん、家族に伝えるICの内容の意味づけができます。

 

また、治療プランに関して、各論ではこのように勉強します。
・未来を予測し
・治療プランを立てる
↓こういうことです。
肺炎.ppt へのリンク

 

一般的な治癒過程を知り、プランを立てる。
そうでない時の(治療効果が予定と異なる際)、自分の動く方向性をイメージする。
そうすると、診療の質は確実に上がります。

 

こういった学習を、各疾患でひとつづつ研修していきましょう♪

 

 

 

まず、感染症を勉強しよう、と思ったら、
青木先生のDVDをみて、
どの部位の、どんな菌による感染症かな、とかんがえる。
そして、その部分についての本を読んでみる

 

という流れが、身につけやすい1つの流れと思います。

感染症の勉強をこれからはじめる時に