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2010年の米国リウマチ学会(ACR)の線維筋痛症の診断基準

2010年の米国リウマチ学会(ACR)から、
線維筋痛症診断基準の新しい基準が公開され、圧痛点を必要としない診断基準が有用と報告されています。

 

従来の圧痛点は有用なのですが

・線維筋痛症と診断された人たちも、プライマリ・ケア医レベルでは圧痛点を使っている人が少ない
・圧痛点自体があっていないことも多いこと
・どのように圧痛点を押すかを知っていない人も多いこと
・実際には、症状をベースに診断している人も多いこと

など、
「1990年の診断基準の圧痛点をしっかりと使用できていない」
という問題点がありました。
(Arthritis Care & Research Vol. 62, No. 5, May 2010, pp 600?610から引用)

 

 

確かに、教科書レベルで見てみても、圧痛点を細かく解説している教科書は多くなく、実際の圧痛点で悩むケースは多いと考えられ、そのため線維筋痛症の圧痛点の図解のページを作成する必要とよいかなと思い作成しました。

 

 

また、圧痛といのが尺度が難しく(例えば強く押すと痛みが出たりという問題)、他の筋が痛む病気と、「ごっちゃ」になってしてしまう可能性があり、
圧痛点を用いない基準を作っています。

 

 

 

 

2010年の米国リウマチ学会(ACR)の線維筋痛症の診断基準

 

The American College of Rheumatology preliminary diagnostic criteria for fibromyalgia and measurement of symptom severity
(と検索すると、PDFを読むことができます。)
この原文のTable4に、ACR2010年の線維筋痛症基準が記載されています。

 

 

2010年の米国リウマチ学会(ACR)の線維筋痛症の診断基準

3ヶ月以上体全体の痛み(WPI:下記参照)が続き、他疾患とは考えにくい
WPI≧7、かつSymptom severity≧5 
WPIが3-6、かつSymptom severity≧9

を満たすものと定義されます。

 

 

WPI:Widespread pain indexとは

医療従事者が記入する質問票で、
患者さんが、身体のどの部位が痛むかを問診します。(0点から19点)
□ 肩, 左
□ 肩, 右
□ 上腕, 左
□ 上腕, 右
□ 前腕, 左
□ 前腕, 右
□ 臀部, 左
□ 臀部, 右
□ 大腿, 左
□ 大腿, 右
□ 下肢, 左
□ 下肢, 右
□ 顎, 左
□ 顎, 右
□ 胸部
□ 腹部
□ 首
□ 上背
□ 下背

 

痛部位を評価する広範囲疼痛指標(医療従事者が記入する質問票)

 

 

Symptom severityとは

疲労、起床時不快感、認知症状、その他の身体症状の程度や重症度を評価する症状重症度スケール (医療者が質問)
「疲労」「起床時不快感」「認知症状」の3つの症状について、過去1週間の重症度レベルを0〜3の中から1つつけます。

 

□ 疲労            0  1  2  3
□ 起床時の不快感     0  1  2  3
□ 認知症状         0  1  2  3

 

0:問題ない
1:軽い、もしくはほとんどない、または症状があったりなかったりする
2:中くらい、日常に支障がある、ほとんど常に感じる
3:強い、持続的、日常生活にかなり支障になる

 

 

 

 

ここの点数  A/9  点に、もう一点を足して足し算します。

 

下記の症状で、「あり」につき

 

0点:症状なし、 
1点:ほとんど満たさない
2点:満たす項目がそれなりにある
3点:多くの項目を満たす

 

の点を付けます

 

□ 筋肉痛
□ 過敏性腸症候群
□ 疲れ/疲労感
□ 思考または記憶障害
□ 筋力低下
□ 頭痛
□ 腹痛/腹部痙攣
□ しびれ/刺痛
□ めまい
□ 睡眠障害
□ うつ
□ 便秘
□ 上腹部痛
□ 吐気
□ 神経質
□ 胸痛
□ 視力障害
□ 発熱
□ 下痢
□ ドライマウス
□ かゆみ
□ 喘鳴
□ レイノー症状
□ 蕁麻疹
□ 耳鳴り
□ 嘔吐
□ 胸やけ
□ 口腔内潰瘍
□ 味覚障害
□ 痙攣
□ ドライアイ
□ 息切れ
□ 食欲不振
□ 発疹
□ 光線過敏
□ 難聴
□ あざができやすい
□ 抜け毛
□ 頻尿
□ 膀胱痙攣
□ 排尿痛

 

この項目で、Bで点数化します。

 

 

Symptom severityはこの2つを足し算した計算になります。

 

 

 

3ヶ月以上体全体の痛み(WPI:下記参照)が続き、他疾患とは考えにくい
WPI≧7、かつSymptom severity≧5 
WPIが3-6、かつSymptom severity≧9

 

という基準になっています。