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RDWの炎症マーカーとしての可能性

RDWの炎症マーカーとしての可能性

RDWは、元々は赤血球の大きさのばらつき具合を見ることで、貧血の原因を想像するために役立つ検査です。

 

 

それに加え、最近では炎症マーカーの1つとして役立つかもしれないという報告があります。
(現時点ではまだ明らかな見解とまでは行っていないので、可能性の1つとしてです。)

 

 

 

炎症マーカーとは?

 

近年では、動脈硬化や心筋梗塞を起こしやすい人たちでは、
体の中に、微弱な炎症反応を起こしていることが知られています。
そのためのマーカーの1つに、高感度CRPという項目があります。

 

高感度CRPについては、
http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/08.htmlなどが読みやすかったです。

 

 

 

動脈硬化では、血管の中で、ジリジリと炎症が起きて動脈硬化が起きるため、高感度CRPなどの炎症マーカーが高くなると考えられています。
こういうジリジリとした炎症を、慢性炎症(まんせいえんしょう)と呼びます。

 

そういった炎症を表すマーカーとして、RDWが役に立つ可能性が報告され始めています。

 

 

Relation of Red Cell Distribution Width (RDW) to GRACE Risk Score To in-Hospital Cardiac Events in Patients with ST-Elevated Myocardial Infarction
(ST上昇型心筋梗塞(STEMI)にて入院した患者における、GRACEスケールとRDWの関係)

 

の中では、「RDWの数値で14.3を一区切りとした場合、RDWは、GRACEスケールとともに心筋梗塞での院内死リスクと正の相関を認め」
と報告されています。

 

 

その他、炎症とRDWの関連としては、炎症性腸疾患、B型肝炎の活動性との関係性の報告もあり、また特発性肺線維症(The red cell distribution width as a prognostic indicator in idiopathic pulmonary fibrosis)
というような疾患でも、RDWとの関連が指摘されています。

 

 

 

RDWでわかっていること、わかっていないこと。

 

「赤血球の大きさのばらつきがあるかどうか」という検査で、貧血の原因を調べる指標に役立つ検査がRDWですが
慢性炎症のマーカーの可能性があるということが現在注目されています。

 

 

と!ここで2つ気をつけないといけないことがあります。

 

・現時点では、明確な指標としてまでは認識されないということ
・それに対する治療に関しては、全く議論されていない

 

ということです。

 

 

よくやってしまいがちな理論の誤りとして
○○が高い⇒○○を下げる治療をすれば良い!
というのは間違っていることがあるということです。

 

 

現時点では、「RDWだけで動脈硬化の予防をどうするべき」というような議論はできないでしょう。
それを論議するためにはエビデンスの蓄積が必要です。(そもそもRDWを下げるため、という治療もないように思いますが)

 

 

しかし、患者さんにRDWが高いと言われた時に関しては、動脈硬化の他のリスクファクター(喫煙や糖尿病、高血圧など)に関して、
この患者さんではどうかな?と少し考えるきっかけくらいの意味付けはしても良いかもしれません。

 

 

もし、動脈効果のリスクファクターが多いようなら、
動脈硬化のリスクはリスクとして、別件にはなりますがてちゃんと治療したいですね。

 

 

 

 

 

 

RDWの炎症マーカーとしての可能性