JMECCはどんな講習会か?
JMECCの指導者講習会に行ってきました。
JMECCとは、日本内科学会主催の心肺蘇生の講習会です。
(Japanese Medical Emergenct Care Course)の略になります。
日本内科学会認定内科救急・ICLS講習会です。
従来のICLS等と違う点
これまでの心肺蘇生講習会のICLSは、基本的に
目の前に居る「心肺停止の患者さんに対する心肺蘇生」
という状況のみを訓練していました。
そのため、場面こそ病棟だったり救急外来だったり、
道端だったりという状況の違いはありますが
基本的にすべての患者さんで、初めから心肺停止の状態です。
確かに実際に、心肺停止の患者さんをいきなり発見することもあります。
「そういった状況に出くわしたときに、すぐにBLSを行うことが出来るようになる」というのはとても重要です。
ですが、現実に医師になってから出くわす心肺停止状態の状態としては
容体がかなり悪い患者さんを診察→そのまま急変して心肺停止という状況があり、
一番焦ってしまうことが多い状況かと思います。
そういう状況のシミュレーションは必要か、ということですが
心肺停止になる患者さんは、80%に前駆症状があるという考え方があり
JMECCはそういう患者さんのファーストタッチから見れるように(鑑別診断・治療)をしつつ、
その後の急変対応(心肺停止へ移行)した際にも対応できるようにする
ということを目標としています。
例えば、倦怠感で来て、明らかに全身状態が悪そうな患者さんが居たとします。
看護師さんにトリアージされて、救急外来に入ってきたりします。
まず初期評価で危なそうか、ちょっと待てそうか、判断します。
じゃあ、危なそうだったら、どうしよう。
モニターつけて、酸素投与して、ルート確保して、ってしますよね。
バイタルを取りつつ
お話を聞いたら、透析患者さんだったりしたとします。
じゃあ、高カリウムと肺水腫怖いよねっていう話になります。
心疾患の合併も多いから、心筋梗塞かもしれない。
さっと見れる心電図もみたくなりますよね。
そういう鑑別をもとに、だけどなるべく早く心電図だったり、
採血をしたり、ベッドサイドでとれるポータブルのレントゲンを依頼したりするわけです。
そうしたら、肺水腫や心筋梗塞ではないけど高カリウム血症だったりするわけです。
画像や採血データを見ながら、診断をつけたら、終わりではないですよね。
目の前に患者さんがいるわけですから。
高Kの治療をしたり専門科を呼んで透析の準備をします。
だけど、すべてがすぐに終わるわけではありません。
準備したり、待っていたりしていたら、PEAになったりするわけです。
じゃあどうするのっていうときに、心肺停止に対する蘇生行為を行いますよね。
そういうのに対処するっていうのを含めて、初期対応なんじゃないか?ってことです。
そういう最初の10分を学ぶコース、っていうのがJMECCです。
あ、ちなみに上の書いてあるストーリーは今なんとなく作ったので、実際のJMECCのコースにないものにしました(これを書いている現時点では)
ただ、コースディレクターっていうJMECCコース全体の運営・開催をする資格取得には、2つのシナリオの提出っていうのがあるそうなので
こういう症例も今後出るかもしれないですが。
けど、こういう例を考えると、なんとなくイメージつきませんか?
JMECCってどんな感じの講習会?って聞かれたら、一言で私なりにまとめさせてもらうと
「急変患者さんの最初の10分に対応する力を付ける」ことが目標となります。
具体的にどんなことをやるのか?というのは、こちらのページにまとめます。