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低ナトリウム血症の計算式の分母(水)の考え方

 

低ナトリウム血症の式における

 

低ナトリウム血症の計算式の分母(水)の考え方

 

の分母を解説します。

 

体重×係数に関しては、
男性0.6 女性0.5
高齢男性0.55 高齢女性0.45です。

 

60kgの若い男性なら
60×0.6kg=36Lと計算します。

 

 

ちなみに、高ナトリウム血症の場合
体の中で、体重に対する水分の容量が少ないため、係数は0.4で計算します。

 

 

入れる水は、入れた水分をそのまま計算します。

 

 

出ていく水という概念が、一番難しいかなと思いますので解説を加えます。
ナトリウム濃度を補正する時には、この出ていく水は、2パターンで考えます。

 

1つは、不感蒸泄等+(尿のナトリウム+尿のカリウム値で推定する尿量)
1つは、不感蒸泄等+実際の尿量

 

この2パターンです。

 

 

人は、生活している中で、便だったり不感蒸泄だったり、代謝水だったりと水の移動があります。
それはそれぞれ計算するのは非常に難しい(≒むり)ですので、合わせて不感蒸泄等と考えます。
結局は、水分は少し出ていきますので。

 

 

汗は20-40mEq/Lくらいの濃さですし、
便はリンゲル液と似たようなくらいの濃さです。(性状にもよりますが)

 

 

普段生活をしている分では、水の方が多く出ていきますので、
差引で水が減ることになります。

 

 

ですので
”測定できない部分”として、ある程度の水分が出ていくんだな」
と認識してください。

 

 

では、続いて尿として出ていく部分です。
・1つは、不感蒸泄等+(尿のナトリウム+尿のカリウム値で推定する尿量)
・1つは、不感蒸泄等+実際の尿量
という話をしました。

 

 

ナトリウムの補正式を考える場合、
入れるナトリウムは、「その時点から明日までに入れる量」です。

 

その式では、
尿量は、明日までに出る尿の数値なので、現時点ではわかりません。

 

そこで、SIADHの時などには
「入れた溶質が、そのまま全量尿として出ていく」と考えます。

 

つまり、SIADHの場合は
溶質を100mEq入れたら、100mEq尿として出ていく
と考えます。

 

 

その考えを使い
現在の尿の濃さで、どれだけの水が出ていくかを推定します。

 

例えば、尿の濃さが尿ナトリウム70mEq/L、尿カリウム30mEq/Lだとすると
尿ナトリウム+尿カリウム=100mEq/Lとなります。

 

100mEq分の溶質を入れた場合、
100mEq÷100mEq/L=1L
となり、1Lの尿がでれば、100mEq/Lの尿の場合、100mEq分の溶質を排除できるということになります。

 

 

では、尿Na+尿K=200mEq/Lと、とても濃い尿の場合はいかがでしょうか。
その場合100mEqの溶質を入れると
100÷200=0.5 

 

0.5L=500mlの尿が排出される計算になります。

 

 

こちらが、基本的な使い方になります。

 

 

 

 

もう一つの使い方
不感蒸泄等+実際の尿量
の場合は、「場合の数」として使用します。
2L尿が出た場合
3L尿が出た場合
として計算する、ということです。

 

 

例えば、ラシックス(フロセミド)を使用すると、2分の1生食くらいの濃さで出るとされています。
(実際80-90mEq/Lくらいで出ていく印象があります。)

 

その尿が
2L出た場合、どうなるか、
3L出た場合、どうなるか
という計算をすることができます。

 

 

 

低ナトリウム血症の計算式の分母(水)の考え方

 

この式で、90mEq/Lの尿が
2L出た場合と、3L出た場合で、それぞれ計算すればよいのです。

 

 

 

なので、まとめると、
低ナトリウム血症の計算式の分母(水)の考え方
の分母は

 

TBW(体重×係数)+入れる水 - 尿量 - 不感蒸泄等

 

として計算します。

 

 

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