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糖尿病

肝疾患と糖尿病

 

肝疾患のある患者さんに、糖尿病がある場合は
その患者さんのマネージメントに注意が必要です。

 

 

肝臓は、糖分を取り込み蓄え、その糖分を放出することで、
血糖コントロールの中心的な役割を果たしています。

 

 

肝疾患のある患者さんでは、糖尿病合併が多い

そのため、糖尿病の検査であるIGTTを行うと、
慢性肝炎では20%t近くの患者さんが
肝硬変では29%近くの患者さんが糖尿病領域というように耐糖能障害を合併します。

 

 

 

急性肝炎と糖尿病

急性肝炎となると、一時的に耐糖能障害が出現し血糖が上昇することがあります。
急性感染の急性期では、OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)を施行すると、その際の血清インスリンは高値であるとの報告もあり、インスリンの感受性が低下していると考えられています。
臨床的に注意する点としては、絶食安静で経過を見ている時に、点滴も行うことから高血糖とならないかモニタリングしていくことが重要です。

 

劇症肝炎のように、肝臓の細胞が急激に壊れる場合は、肝臓から糖の放出ができなくなるため、低血糖を起こすことが出てきます。

 

 

慢性肝炎と糖尿病

慢性肝炎の活動がある状態や、肝臓の線維化が強いものでは、耐糖能低下が認められやすくなります(糖尿のコントロールが悪くなりやすい)。
これは、持続的に高インスリン血漿が認められることから、組織でのインスリン感受性の低下や、肝臓での取り込みの低下が考えられています。

 

また、HCV(C型肝炎ウイルス)感染そのものが耐糖能障害、インスリン抵抗性を起こすと考えられています。

 

 

肝硬変と糖尿病

肝硬変患者さんでは、糖尿病の管理につき気をつけなければならないことがあり、知っていることで防げる項目も多いため、しっかり知っておきましょう。

 

肝硬変のある糖尿病患者さんの特徴としては

・空腹時血糖はほぼ正常
・食後血糖が著明に上昇する

という特徴があります。

 

肝硬変患者さんにブドウ糖負荷試験を行うと
・高インスリン血症
・ブドウ糖負荷後の血糖高値
という特徴を呈するため、肝臓でのインスリン分解の低下や、肝外シャントで血中に入りやすくなるということが考えられています。

 

 

 

肝硬変と糖尿病・食事や薬剤

肝硬変患者さんでは、6時間異常の絶食で、グリコーゲンが枯渇し低血糖となってしまうことや
糖分の利用ができない場合、蛋白の異化が亢進し肝性脳症が悪化してしまうリスクがあります。

 

 

30kcal/日程度のカロリーを確保しつつ、痩せや肥満があればカロリーの調整を行いっていく必要があります。
低血糖にならないよう、食事摂取が少ない場合はインスリンの量を減らしたり、こまめに調整する必要がある患者さん群という認識が重要です。

 

 

・空腹時血糖はほぼ正常
・食後血糖が著明に上昇する
ため、食後の過血糖管理に、超速効型のインスリンが必要なことが多く、中間型インスリンや持効型インスリンでの夜間-明け方の低血糖が起こりやすくなってしまいます。(肝臓でのグリコーゲン貯蔵が少ないため)

 

αGI(αグルコシダーゼ阻害薬)などの薬は食後の過血糖対策には有効ですが、便秘となると肝性脳症が悪化しやすくなるため、注意が必要です。

 

 

アルコール性肝硬変の患者さんでは、実際に診療を行うと、薬剤コンプライアンスを保ってもらうのが難しい方も多く、なかなか診療に難渋するケースも多いです。
ですが、入院中では血糖の測定や、上記のことを知っておけば、
・空腹が続くと低血糖が起こる(グリコーゲンの貯蔵が少ないので)
・中間型や持効型インスリンが多いと低血糖になりやすい
・食後の過血糖が起こりやすい
・便秘に注意が必要

 

という特徴で
・夜に高血糖の時に、他の患者さんと同じようにスケールでインスリンを打つとリスクが高い
・食べられない時に糖分や栄養をどう補給するか
 (夜に絶食による低血糖が起きないよう、点滴メニューや栄養メニューを組み立てたり)

 

というような対処を考えることができると思います。

 

 

 

 

 

 

肝疾患と糖尿病