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アルコール離脱症候群alcohol withdrawal syndrome

 

アルコール離脱症候群は、慢性的にアルコールを飲んでいる方が入院などを契機に突然飲酒ができなくなることで起こる一連の症候のことです。

 

 

@慢性的に飲酒をしている方は、飲酒が中枢神経に対して抑制的に働きます。
⇒禁酒すると、中枢神経が興奮します。

 

 

減酒して6〜24時間で離脱症状が出現し始めます。
3〜4日以降に出現してくる離脱症状は、バルビツレートやベンゾジアゼピンなど別の原因の方が多いです。

 

下記の症状の出現に注意します。
救急外来での対応

 

 

禁酒から時間経過と症状出現までは、下記のようになります。
救急外来での対応

 

 

アルコール離脱の重症度分類(CIWA-Ar)

The Clinical Institute Withdrawal Assessment for Alcohol Scale (revised)(CIWA-Ar)というものを用います。
4-8時間おきに、下記の問診項目を用い評価します(詳しくは元文も参照してください)

 

 

 

 

1.嘔吐 「胃の具合が悪いですか」「吐きましたか」   
    0 なし   
    1 嘔吐を伴わない軽度の嘔気   
    4 むかつきを伴った間欠的嘔気   
    7 持続的嘔気、頻繁なむかつき、嘔吐

 

2.振戦 上肢を前方に進展させ、手指を開いた状態で観察   
    0 なし   
    1 軽度振戦:視診で観察できないが、触れるとわかる   
    4 中等度振戦:上肢進展で確認できる   
    7 高度振戦:上肢を進展しなくても確認できる

 

3.発汗   
    0 なし   
    1 わずかに発汗が確認できるか、手掌が湿っている   
    4 前額部に明らかな滴状発汗   
    7 全身の大量発汗

 

 4.不安   
    0 なし   
    1 軽い不安を感じている   
    4 中等度不安、または警戒しており不安とわかる   
    7 重篤なせん妄や統合失調症の急性期にみられるようなパニック状態と同程度の不安状態

 

5.焦燥感   
    0 行動量の増加なし   
    1 行動量は普段よりやや増加している   
    4 落ち着かずそわそわしている   
    7 面談中うろうろ歩いたり、のたうち回っている

 

 6.触覚障害 「かゆみ、ピンでつつかれるような感じ、焼けつくような感じや、感覚が麻痺したり、」   皮膚に虫が這っているような感じがしますか」   
    0 なし   
    1 掻痒感、ピンでつつかれる感じ、灼熱感、無感覚のいずれかが軽度にある   
    2 上記症状が中等度にある   
    3 上記症状が高度にある   
    4 軽度の体感幻覚(虫這い様感覚)   
    5 中等度の体感幻覚   
    6 高度の体感幻覚   
    7 持続性の体感幻覚

 

7.聴覚障害 「周りの音が気になりますか。それは耳障りですか。そのせいで怖くなることがありますか。不安にさせるような物音は聞こえますか。ここにないはずの物音が聞こえますか。」   
    0 なし   
    1 物音が耳障りか、物音に驚くことがある程度   
    2 上記の症状が中等度にある   
    3 上記の症状が高度にある   
    4 軽度の幻聴   
    5 中等度の幻聴   
    6 高度の幻聴   
    7 持続性幻聴

 

8.視覚障害 「光が明るすぎますか。光の色が違って見えますか。光で目が痛むような感じが」しますか。不安にさせるようなものが見えますか。ここにないはずのものが見えますか。」   
    0 なし   
    1 光に対し軽度に過敏   
    2 中等度に過敏   
    3 高度に過敏   
    4 軽度の幻視   
    5 中等度の幻視   
    6 高度の幻視      
    7 持続性幻視

 

9.頭痛・頭重感 「頭に違和感がありますか。バンドで締めつけられるような感じがしますか。」   
    0 なし   
    1 ごく軽度   
    2 軽度   
    3 中等度   
    4 やや高度   
    5 高度   
    6 非常に高度   
    7 極めて高度

 

10.見当識・意識障害 「今日は何日ですか。ここはどこですか。私(質問者)は誰ですか。」   
    0 見当識は保たれており、3つを連続して言うことができる   
    1 3つを連続して言うことができないか、日付があいまい   
    2 日付の2日以内の間違い   
    3 日付の2日以上の間違い   
    4 場所か人に対する失見当識がある

 

 

 

米国のガイドラインでは、CIWA-Ar が8 点以上の場合は BZ 投与で離脱症状を抑制すべきとされていました。

 

CIWA-Arスコア 8〜15点の中等症患者に対して、症状の改善や重大な合併症の予防目的に投薬を開始するのがよいと提唱する先生もいます。

 

処方例
Lorazepam(ワイパックスR)
静注 1〜4mg 5〜15分おきに再投与可能(重症例).
筋注 1〜4mg 30〜60分おき
経口 6mg/日 分3で開始. 4〜6日かけて1〜2mgずつ減量

 

救急外来での対応