医師賠償責任保険-医賠責保険-は研修医こそ全員入るべき
医賠責保険(医師賠償責任保険、通称医賠責)、入ってますか?医賠責は、研修医なら絶対に入っておかなければいけません。
医師賠償責任保険は、医師がトラブルを起こして事故を起こし、損害賠償責任を負ってしまう時のための保険です。一言で言えば医療訴訟に備える保険で、研修医や若手医師は必ず入るべきです。
なぜなら、研修医は、まだ医療知識と経験が十分でない状態です。加えて、トラブルの起こりやすい救急外来を担当することになります。救急外来は、重症患者や一見患者さんが多く、見逃しや急変によるトラブルが起きるケースが多い場所です。
例えば、一見軽症に見えていて、実は心筋梗塞や虫垂炎だった、という例を、一度は勉強会で見たことがあるはずです。この責任は、病院だけでなく担当した医師の責任にもなります。
私の体験では、オーベンの先生の患者で、糖尿病で教育入院していた患者が、発見時CPAになってお亡くなりになり(おそらくMIだと思うのですが)、訴訟になったのを間近で見ています。「全く予期できない急変が自分のせいのように訴えられるのか」と驚愕しました。
そのため、私の場合も即効で医師賠償責任保険に入りました。
医療をする場合は、必ず医師賠償責任保険に入りましょう。
医師は医師賠償責任保険が必須です
研修医であっても、すべての医師は医師免許を持ったプロなので、何かあったときに自分で責任をとらないといけない立場です。もちろん病院が責任を持つべき部分だという個人的な感情はありますし、実際に助けてくれるケースもありますが、個人でしてしまったミスに関しては、個人も責任をとらされる場合があります。
晴れて医師になった後、最も怖い事は『訴訟されること』です。数が少ないとはいえ、1回が致命的になることがあり、備えがなければ非常に危険です。
↓ 実際の訴訟現場について知りたい方は、これは参考になると思います。
http://medg.jp/mt/?p=352
自分の研修病院の保険状況を把握することからはじめる
PMETで、自分の病院を検索してみると分かりますが、
医師賠償責任保険に対する扱いは病院によってバラバラです。
これらは、PMETからとってきたものです。(各病院の、医師賠償責任保険の取り扱いの差です)
このように、医師賠償責任保険の個人加入を勧めています。中には必要であると考え病院負担で入ってもらう病院もあれば、任意としている病院もあります。
この任意というのは、何かあったら自己責任でということだととても怖いです。何かあったら最後に自分を守ってくれるのは自分だけなので、社会人として自分の身を守りましょう。
研修医向けの保険ってあるの?
研修医向けの保険はあります。こういう名称の医師賠償責任保険が、実際に販売されているという事実をそもそもご存じでしょうか?
研修医のための医師賠償責任保険という商品もあるように、やはり入っておいた方が良いと考えます。自動車でいう自賠責だけでなく保険に入るように、最低限入っておくべきものだと思います。
厚労省のHPから参照できる、研修医の事故に対する医師賠償責任保険の取り扱いについては、下の表のような対応をしています。
このように、病院によってバラバラです。事務も病院長も教育担当責任者も、実際の対応は把握していないでしょう。
訴訟になった場合、病院側は責任をとりますが、病院+研修医を対象にそれぞれ訴訟がおこってしまった場合に本当にしっかり守ってくれるのかは、実際に事が起こるまで分かりません。
ただ、もし入っていなくて、実際に医療訴訟沙汰になったとき、それが自己責任になる場合に備え、あらかじめ準備はしておきましょう。そのために必要なものが、医師賠償責任保険(医賠責)です。
これは研修をする上で、必須です。私は自分で費用負担して、ずっとこの保険に入っています。
費用に関しては、病院負担が最も望ましいですが、それが難しい場合でも、自分で入りましょう。もしお金が厳しいという人は、親にお願いしましょう。
特にミスをしたり救急外来でファーストタッチをすることになるはじめの2年だけでも親に相談して守ってもらうようお願いすれば、入ってくれます。
医師賠償責任保険に入れる場所
医師会関連
大学単位で入っている保険
民間の保険
色々ありますが、個人で入る場合の費用では、民間医局が20%割引でコスパは良いことと、他の病院に実習に行くこともあったため、私は民間医局の医師賠償保険に入っています。どんな保険かは、ホームページから見ることができます。
民間医局に無料登録後にログインすると、下記のように医師賠償責任に行けます。(実際に自分でログインしていただいた方が、わかりやすいかもです)
ライフサポートというところを押すと、
医師賠償保険が出てきます。
そして、医師賠償責任保険で、実際にどんな保証をしてくれるのか、ということが書いてあります。
ログイン後に見ることができるこのページに、医師賠償責任保険について書いてありますので、これをご両親と、就職前に一度目を通しておくと、いざ病院でカバーしてくれず入ろう!と思ったときに、一度話を通しているのでお願いがスムースにいきます。
少なくとも、「入ることの検討」と「資料請求」はするべき
実際には、値段も高いので、入るか入らないかの最終判断は病院でどれくらいの保証をしてくれるかを確認した後に決めれば良いと思います。ただし、少なくとも補償されるという事実は確認しておかなければいけません。
私のおすすめとしては、一度資料請求をして、検討することをおすすめします。
民間医局の場合、一度登録しておけばオンラインで10分くらいで入れ、翌日から(あらかじめ資料請求しておけば最短で当日12時までで、午後の診察から)保険に入ることができます。そのため、実際に病院で働き始める時に判断することもできます。
そうすると、例えば、「いざ明日から救急外来独り立ちする状態」もしくは「受け持ち患者さんがつく状態」もしくは「患者さんの造影剤投与当番になる」というような、リスクが高い状態になっても対応できるようになります。保険に入れるように、あらかじめ資料請求しておくとよいです。
民間医局に無料登録後すると、医師賠償責任保険にイザ入ろうというときにすぐに入ることができます。また、webで入会を完了させることも可能です。そのため危ないなという時にすぐに入会作業に取り組むことができます。
かくいう私も、うっかりと2017年に更新を忘れてしましましたが、救急外来のバイトをすることになり、リスクが高すぎると判断して急遽入りなおしました。
あらかじめ資料請求などでコンタクトをとっておくと、前日に連絡し、当日の昼までに振り込めば、午後からの診療が保証される、という時間短縮をすることができます。
そのため、ぜひ一度資料請求してみましょう。
(※民間医局の医師賠償責任保険の資料請求には、会員登録が必要です。
ですが、民間医局への入会費や年会費は一切かかりませんので、安心して利用してください。)
まとめ
研修医や若手医師は、特に医師賠償責任保険に入るべきです。
技術の習得過程では、多くのミスが出ます。それは習得過程であるため、実際には必要な失敗なのかもしれませんが、新臨床研修制度になってからは、何か起こした時の責任の一部は、自分にも関わってくるようになってきているのです。
その中で、研修医の時期が一番大きなミス、しかも大多数の医師や医療者からすると、『え、まじでそんなことしちゃったの?』というような、ありえないミスもしてしまう時期です。
医師賠償責任保険に入らずに臨床をすることは、地雷原に準備もせずに入るようなものです。地雷はどこに埋まっているかわかりませんが、地雷を踏んだダメージを減らせる防具を付けるべきです。
病院が守ってくれる部分だけでなく、最低限の防衛策はとって良い研修生活を過ごしましょう。
医師賠償責任保険
(※民間医局の医師賠償責任保険の資料請求には、会員登録が必要です。
ですが、民間医局への入会費や年会費は一切かかりませんので、安心して利用してください。)