肺塞栓症は、非常に致死率の高い疾患です。
(急性肺血栓塞栓症 11.9% 急性心筋梗塞 7.3%と心筋梗塞より高いとの報告も)
好発年齢 40~70代 男性<女性です。
発生状況(309例中)の報告のうち
誘因が明らかなものは 108例
起立や歩行に伴うもの・・・ 57%
排便・排尿に伴うもの・・・ 22%
と、典型的には外科の手術後などで、歩行し始めたら急に!
というストーリーですが、必ずしもそういう状況だけではありません。
肺塞栓のリスクとしては
@ 血流停滞
長期臥床・肥満・妊娠・下肢静脈瘤など
A 血管内皮障害
手術・外傷・抗リン脂質抗体症候群・CV留置など
B 血液凝固能亢進
悪性腫瘍・妊娠・感染症・ネフローゼ・脱水など
等です。
肺塞栓の症状としては
10-20%は、失神で来院すると言われています。
また、DVT(深部静脈血栓症)やPE(肺塞栓症)などは、
術後や入院患者さんの、発熱の原因として見落とされがちな原因です。
肺塞栓急性期の心電図所見
古典的なSTQVTVは15〜20%ほどという報告や、40%前後という報告もあるが
いずれにせよ高くないため、除外診断には使えません。
洞性頻脈が見られるものよりも、前胸部(V1〜V3)のT波陰転化が頻度が高いとされています。
色々なクライテリアがありますが、クライテリアだけで完璧に判断することはとてもむずかしく
やぱり疑うことが重要になります。
大事な意識としては。
・死亡例は発症1時間以内の死亡が多いため、早めに見つけようと努力することや
・説明できない心臓呼吸器関連症状は本症を疑う
・よくわからない主訴でも、Vitalや重要で頻脈・酸素飽和度低下をcheckすること
・心不全症状で肺ラ音がなく、U音亢進がある場合は要注意
・心電図で急性右心負荷所見を見逃さないこと
・心エコーで右室の拡大の有無を見ることなど
アンテナ広く、早めに拾い上げていくことが重要です。
